2013年07月16日

「ササニシキEXPO2013」開催レポート


7月13日(土)に石巻市で初めて開催された
「ササニシキEXPO2013」の様子をレポートします!
(僕が参加できたのは午前の部のみ)



◎ササニシキEXPO2013
 https://ishinomakiya.com/expo2013/

場所は、石巻市の旧河南町にある「遊楽館」。
行ってびっくりしましたが、かなり立派な施設です。



奥に和室があるのですが、ここが会場となります。
なんとなく、畳で車座になって、というのが
雰囲気に合ってるような気がしますね(^^



こちらが主催者であるササニシキ農家の木村純さん。
笑顔がいつも素敵で米作りを熱っぽく語る方です。
会って話すと誰もが一発でファンになると思います☆


和室の向かいには、ガラス張りで調理実習室。
こちらでは、サポートメンバーとして参加されている
早坂おっかぁやみっちーが昼食の準備をしていました。





特に、おっかぁは石巻市旧北上町出身ですから
このイベントには欠かせませんね!



お米を食べ比べるための炊飯器はなんと5個!
いやぁ、楽しみですね~。


さて、まずは10時からトークイベントが始まります。
正確ではないですが参加者は22名くらいでしたかね。







主催者である木村さんからご挨拶と趣旨説明。
(以下は、僕の理解・解釈なので、誤りあったらごめんなさい!)

以前はコシヒカリと並んで日本を代表する品種されていた
ササニシキですが、暑さ・寒さに弱く、収量が少ないなどの
理由から生産農家が激減しているというのが現状です。

ですが、この石巻市の旧河南町・旧桃生町・旧北上町の
エリアでは、いまだにササニシキを作り続ける農家が多く
県内全体の半分近くを生産しているんだそうです。

その理由も歴史的側面、土壌的側面、地理的側面から
解明していけば色々とササニシキ生産に適した理由が
見つかるのではないかというお話もありました。
(ここら辺も興味深いポイントですね)



生産農家が減り続ける現状は変わらないとしつつも
一方でササニシキの味や特性に根強いファンは多く、
ササニシキには、作り続けるための理由や役割がある
後世に残していくべき品種である。

だからこそ、ササニシキEXPOのような場から
作る人たちと食べる人たちの交流を促進するとともに
ササニシキの価値や意味を発信していきたいというのが
今回の開催に至った主な趣旨となります。


今回は木村さんの声がけに反応してくれた
ササニシキ農家さんも生産者代表として参加。
それぞれからササニシキに対する思いや
作り続ける理由をお話いただきました。









とにかく生産が難しいのがササニシキの特徴。
暑さ・寒さだけでなく、米作りの天敵であるイモチ病にも弱く、
近年の高温の中で、一等米も出にくい状況が続いており
既存の流通構造の中で、生産者が避けてしまっているのが現状。

ただし、ササニシキだけにしかない特性もあります。
現在の品種は、コシヒカリ系統がほとんどのため、
もち米の系統が入ってない、純粋なうるち米の系統の
品種はササニシキくらいしかないとのこと。

食味的な特徴は、もっちりと粘りがあるのがコシヒカリ。
それに対して、粘りが少なくあっさりしているのがササニシキで
冷めても美味しく、軽くて胃もたれが少ないと言われています。

何より生産者の方々にとっては、小さい頃から食べなれた
ササニシキが好きで、まずは自分や家族が食べたいから、
そして、直接連絡して買ってくれたり、待ってる人がいるから
作り続けているというのが多いのかなという印象を受けました。



あとは、初めて知った話としては、
ササニシキは肥料が少ない、エコな米なんだそうです。
(肥料を多くやりすぎると穂が倒れてしまう)

そのため、米の自然の力を生かした農法をされる方が
多いというのも特徴の一つのようです。


参加者の中には、泉ヶ岳で無農薬でササニシキを生産する
すずめ農園の鴇田美穂さんも参加されていて、





無農薬での栽培方法など熱心に質問されていました。





休憩時間も直接、生産者交流されていたようです(^^
こういう生産者のつながりが生まれるのも大切ですね。


休憩を挟んだトークイベントの後半は、
ゲストパネリストの古川農業試験場の千葉さんから
専門家の視点でササニシキの歴史や特徴などを
様々お話いただきました。



千葉さんの話の中では、この周辺地域が
ササニシキ栽培に適しているのは北上川から
風が入ってくることにより、夏の最高気温が2℃ほど
内陸よりも低くなるおかげではないかということとや

食味的には、肥料が多すぎると、窒素が多くなり、
米が硬くなるので、肥料が少なく栽培するササニシキは
柔らかい米の特性を持っているということなど
なるほどと、印象的な話が多かったですね。


その他、ササニシキを使う側として、
村田町の酒蔵「乾坤一」の久我さんも参加されていて
酒造りから見る、ササニシキの特徴についても
お話いただきました。



現在の香りを中心とした趣向のお酒はできにくいが
食中酒として、キレが良い、長く飲めるお酒には
ササニシキが適しているとのことでした。

乾坤一さんでは震災前までササニシキ・ササシグレで
全生産量の半分以上のお酒を造っていたのことで
これは全然知らなかったので驚きでしたね~。
(震災後はなかなか手に入りづらいとのことでした)


その他、いろいろお話はありましたが、
上手くブログにまとめきれないので、この辺で、、、(^^;

トークイベント終了後は、昼食の準備に。



昼食はもちろん、ササニシキの食べ比べ。
そのために、お米を美味しく食べるためのおかずが
たくさん揃えられていました。













しめ鯖、しそ巻、海苔、にんにく味噌、梅干しなどなど。
いずれも石巻周辺で作られているものばかり。



こちらはサバ寿司とます寿司。
冷めても美味しいササニシキが使われています。


さぁ、そして、いよいよ、ササニシキの登場です!





ササニシキだけでも3種類。
今回参加の佐々木さん、日野さんのササニシキに、
スーパーで販売されているササニシキ。

そして、食べ比べるために、ひとめぼれとコシヒカリ。
以上の5種類の炊飯器がずらりと並びました。



それぞれどれから食べよう、、、と迷ってましたね(^^


いざ、いただきます!!



品種による違いはもちろんですが、
同じササニシキでも生産者・作り方によって
けっこう違いが出てくるんだなという印象でした。

でも、やっぱりササニシキ美味しかった~。



食の専門家・おっかぁも真剣に味わってましたね☆


みなさんでワイワイ食べながら、感想を言い合ったり、
交流を図られていたりしました。





僕ももっとゆっくり味わいたかったのですが
午後からの気仙沼の予定が迫っていたため
急いで食べて、途中で退席させてもらいました。

午後と夜のプログラムもとても魅力的だっただけに
う~、、、残念。。。。(><)

そちらの様子は、おっかぁやみっちーのブログで
後日アップされると思いますので、ぜひそちらを
チェックしてみていただければと!!


というカンジで、初の試みとして行われた
ササニシキEXPOですが、初めて知った話も多く、
とても有意義な取り組みだったのではと思います。

ぜひこのような機会は継続してもらって
ササニシキの特徴や、生産者の思いを広く発信し
地道なファンづくりにつなげていければいいですね。

個人的にも宮城が誇るべきササニシキのことを
もっと知っていきたなと素直に思いました。


  


Posted by やまだ@宮城 at 07:11Comments(0)
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プロフィール
やまだ@宮城
やまだ@宮城
宮城をこよなく愛する35歳です。

◆生まれてからずっと仙台で20数年間育った後、
2年間の気仙沼暮らし、1年間の東京・松戸暮らしを経て、
2008年4月より3年振りに仙台に戻ってきました!

◆08年から3年間、宮城の「食」に関わる仕事を経験し、
13年11月からは、女川町(派遣)で働くことになりました。

◆宮城の人(特に自分 ^^)が、宮城をもっともっと楽しめるように
宮城の魅力を自由に楽しく!発信・発見していけたらよいなと
思っておりますっ。

◆初めての方も、今までご縁の会った方も
どうぞ引き続きよろしくお願いします!!
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